仕事には慣れた。でも、ふと不安になる。「このままでいいのかな」と。
夜、こっそり転職サイトを開いた経験はありませんか。
その気持ち、痛いほど分かります。私もまったく同じでした。
この記事は、実務2年目で立ち止まってしまったあなたのために書きました。転職するべきか。今のままでいいのか。答えを出す前に、一緒に整理していきましょう。
Section 01実務2年目、私は転職サイトを見始めた
仕事には慣れてきた
実務1年目は、毎日が必死でした。エラーが出るたびに手が止まる。先輩に質問するのも緊張する。そんな日々です。
でも2年目に入ると、景色が変わります。簡単なタスクなら、もう調べなくてもできる。バグが出ても、慌てなくなる。コードレビューで指摘される回数も減ってきました。
「自分、少しは成長したかも」。そう思えた瞬間は、確かに嬉しかったです。
でも、慣れには落とし穴があります。慣れた仕事は、成長が止まりやすいのです。同じことを繰り返すだけの毎日。気づけば、新しい技術に触れていない。そんな自分に、ある日ハッとしました。
まずは「最近、新しく覚えた技術はあるか」を思い出してみてください。
でも将来が見えなかった
慣れてくると、今度は別の不安が出てきます。「3年後、自分はどうなっているんだろう」という不安です。
私の職場には、ロールモデルがいませんでした。5年先輩を見ても、給料はそれほど変わらない。やっている仕事も、大きくは違わない。「この延長線上に、なりたい自分はいるのか」。正直、見えませんでした。
将来が見えないと、人は不安になります。これは弱さではありません。先を考えられるようになった、成長の証拠です。
あなたが今いる会社の「5年上の先輩」を、一度思い浮かべてみてください。
周りと比べて焦り始めた
SNSを開くと、同年代のエンジニアが目に入ります。「年収100万アップで転職しました」。「モダンな技術スタックの会社に入りました」。そんな投稿です。
それを見るたびに、胸がざわつきました。自分だけ置いていかれている気がする。焦りで、夜も眠れない日がありました。
でも、ここで知ってほしいことがあります。SNSは、いい部分しか映りません。比べる相手は、他人ではなく「過去の自分」で十分です。
焦りを感じたら、まず深呼吸。そして、半年前の自分と今を比べてみましょう。
Section 02「転職したい」と思う理由を整理してみた
「転職したい」という気持ちは、ひとつの感情ではありません。いくつもの不満が、混ざり合っています。だから私は、紙に書き出して分解しました。
給料への不満
一番分かりやすいのが、給料です。「仕事量は増えたのに、給料は変わらない」。そう感じる人は多いはずです。
私もそうでした。残業しても手取りは増えない。昇給は年に数千円。これでは未来が描けません。
ただし、注意点があります。給料は「不満の入り口」になりやすいのです。本当の悩みが、給料という形で見えているだけかもしれません。
今の自分の給料を、まず正直に書き出してみてください。
技術への不満
次に多いのが、技術の不満です。「古い技術しか触れない」「新しいことに挑戦できない」というものです。
たとえば、世の中ではモダンな開発が進んでいる。なのに自分の現場は、何年も同じやり方のまま。これでは市場で戦えなくなる、と不安になります。
この不満は、わりと健全です。学びたいという意欲の裏返しだからです。
「本当はどんな技術を触りたいのか」を、言葉にしてみましょう。
環境への不満
環境への不満も見逃せません。レビューがない。教えてくれる先輩がいない。仕組みが整っていない。こうした環境では、自力での成長に限界があります。
特に一人で開発を任される現場は要注意です。一見、自由で楽しそうに見えます。でも、誰からもフィードバックがもらえません。間違ったやり方のまま、何年も走ってしまう危険があります。
あなたの現場に「学べる仕組み」があるか、思い返してみてください。
人間関係への不満
最後は人間関係です。これは、転職理由の本音になりやすい部分です。
質問しづらい空気。高圧的な先輩。相談できない雰囲気。こうしたストレスは、毎日少しずつ心を削ります。
人間関係の悩みは、軽く見てはいけません。ただし、転職しても、人間関係はゼロにはならないことも覚えておきましょう。
不満を4つに分けて、どれが一番つらいか順位をつけてみてください。
転職する前に確認してほしいこと
不満を整理したら、すぐ転職、ではありません。その前に、立ち止まって確認してほしいことがあります。これをやるだけで、後悔がぐっと減ります。
本当に会社が原因なのか
不満があると、つい「会社が悪い」と思いがちです。でも、本当にそうでしょうか。
たとえば「成長できない」という悩み。会社のせいに見えて、実は自分が業務外で学んでいないだけ、ということもあります。私自身、そうでした。
これは自分を責める話ではありません。原因を正しく見極めると、打つ手が変わるという話です。会社が原因なら転職。自分が原因なら行動。切り分けが大事です。
不満のうち「会社のせい」「自分のせい」を、それぞれ書き出してみましょう。
自分に足りないものは何か
次に、自分に足りないものを考えます。これは少し痛い作業です。でも、避けては通れません。
たとえば、設計の知識。テストの書き方。チーム開発の経験。足りないものは、人それぞれです。
ここで大事なのは、足りなさを「欠点」ではなく「伸びしろ」と捉えることです。足りないと分かれば、埋められます。気づいていないことが、一番こわいのです。
「今の自分に足りないスキル」を、3つだけ挙げてみてください。
環境を変えれば解決する問題なのか
最後に、こう自問します。「これは、環境を変えれば解決するのか」と。
たとえばレビュー文化がない悩み。これは転職で解決します。会社の仕組みの問題だからです。一方、「基礎力が足りない」悩み。これは転職しても、ついて回ります。
転職で解ける問題と、解けない問題を分ける。これができると、判断がぶれません。
あなたの悩みは、どちらのタイプか。一度仕分けしてみましょう。
Section 04成長できる会社の共通点
では、どんな会社なら成長できるのか。私が求人を100件見て、現場の人に話を聞いて分かった共通点を紹介します。4つあります。
レビュー文化がある
一番大事なのが、コードレビューです。レビューとは、書いたコードを他人が確認することです。
レビューがある現場では、毎日が学びです。「この書き方の方がいい」「ここは危険」。そんな指摘が、自然に積み重なります。レビューは、無料の研修のようなものです。
面接で「コードレビューはどう運用していますか」と聞いてみてください。
質問しやすい
質問のしやすさも重要です。分からないことを、すぐ聞ける。それだけで成長速度が変わります。
逆に、質問しづらい空気の現場はつらいです。一人で何時間も悩む。聞けずに溜め込む。これでは前に進めません。
「質問は成長のチャンス」と考える会社を選びましょう。
面接では、雰囲気や話しやすさもしっかり観察してみてください。
技術共有がある
技術共有がある会社も狙い目です。勉強会、社内発表、ドキュメント文化。こうした仕組みがあると、知識が組織に溜まります。
一人で学ぶより、みんなで学ぶ方が速い。これは間違いありません。学びが当たり前の文化に身を置くと、自然と成長します。
「社内勉強会はありますか」も、面接で聞ける良い質問です。
挑戦の機会がある
最後は、挑戦の機会です。新しい技術を試せる。手を挙げれば任せてもらえる。そんな環境は、人を伸ばします。
守りに入った会社では、同じ仕事の繰り返しです。挑戦できる環境こそ、市場価値を上げる場所です。
「若手にどんな挑戦の機会がありますか」と、ぜひ聞いてみましょう。
Section 05逆に危険な環境の特徴
良い会社の逆が、危険な会社です。ここに長くいると、知らないうちに市場価値が下がります。4つの特徴を挙げます。
誰もコードレビューしない
一番危ないのが、レビューがない環境です。書いたコードを、誰も見ない。指摘もされない。一見、楽に思えます。
でも、これは怖いことです。間違ったやり方のまま、何年も過ぎてしまうからです。自分のクセに、自分では気づけません。
もし今、レビューがない現場なら、要注意です。
属人化が激しい
属人化とは、「その人にしか分からない状態」のことです。Aさんしか触れないシステム。ドキュメントもない。これが属人化です。
属人化が激しい現場では、学びが共有されません。それぞれが孤立して、ブラックボックスを抱えます。チームで成長する文化が育たないのです。
「この仕事、自分しか分からないな」と感じたら、危険信号です。
成長機会が少ない
成長機会の少なさも問題です。同じ作業の繰り返し。新しい技術に触れない。挑戦もさせてもらえない。
こういう環境は、居心地はいいかもしれません。でも、時間だけが過ぎていきます。気づけば、何のスキルも増えていない。これが一番こわい未来です。
この1年で増えたスキルを、指折り数えてみてください。
評価基準が不透明
最後は、評価基準の不透明さです。「何をすれば評価されるのか分からない」。そんな会社は、頑張りが報われにくいです。
上司の気分で評価が決まる。年功序列で給料が決まる。これでは、努力の方向が定まりません。透明な評価は、成長の地図になります。
今の会社の評価基準を、あなたは説明できますか。一度考えてみましょう。
Section 06年収が上がる人は何をしているのか
同じ実務2年目でも、年収が上がる人と上がらない人がいます。その差はどこにあるのか。共通点は3つでした。
市場価値を理解している
年収が上がる人は、自分の市場価値を知っています。市場価値とは、「他の会社からいくらで評価されるか」のことです。
今の会社の給料は、今の会社の基準にすぎません。外に出れば、評価は変わります。それを知っている人は、強いです。交渉もできます。
転職サイトで、自分の経歴に近い求人の年収を見てみてください。
業務外でも学習している
年収が上がる人は、仕事の外でも学びます。とはいえ、毎日何時間も、ではありません。1日30分でも十分です。
大事なのは、続けることです。業務だけでは触れない技術を、自分で補う。この積み重ねが、数年後に大きな差になります。
今日から1日15分、学ぶ時間を作ってみませんか。
成果を言語化できる
最後は、成果の言語化です。「何をして、どんな結果を出したか」を、言葉で説明できる力です。
たとえば「処理を改善して、表示速度を2倍にした」。こう言えると、評価されます。逆に「なんとなく頑張った」では、伝わりません。成果は、語れて初めて価値になるのです。
直近の仕事の成果を、ひとつ言葉にしてみてください。
Section 07私が転職活動前にやったこと
ここからは、私が実際にやったことを紹介します。転職を決める前に、です。この3つをやって、頭の中がスッキリ整理されました。
職務経歴書を書いてみた
最初にやったのが、職務経歴書を書くことです。応募するためではありません。自分の棚卸しのためです。
書いてみると、いろいろ見えてきます。意外とやってきたこと。逆に、語れることが少ない部分。両方が、はっきりします。
これは転職する人だけのものではありません。今いる人にも効きます。まずは1枚、書いてみてください。
求人票を100件見た
次に、求人票をひたすら見ました。その数、100件です。応募はしません。ただ見るだけです。
100件も見ると、感覚が変わります。「この技術が求められている」「この経験は価値がある」。市場の声が、肌で分かってきます。見るだけでタダなのに、得られるものは大きいのです。
今週、まずは求人票を10件、眺めてみましょう。
市場価値を調べた
最後に、自分の市場価値を調べました。スカウトサービスに登録して、どんなオファーが来るかを見たのです。
結果は、思っていたより悪くありませんでした。それだけで、自信になりました。自分の値段を知ると、不安が減るのです。今すぐ転職しなくても、知っておく価値があります。
市場価値を測るサービスに、登録だけでもしてみてください。
求人票を見るだけで見える世界が変わる
求人票は、情報の宝庫です。応募しなくても、見るだけで多くを学べます。何が見えるのか、3つに分けて説明します。
求められる技術
まず分かるのが、今求められている技術です。多くの求人に出てくる言葉は、市場が欲しがっているスキルです。
逆に、どこにも出てこない技術もあります。それは、需要が減っているのかもしれません。求人票は、市場のリアルな声です。学ぶべき方向が、見えてきます。
気になる求人の「必須スキル」欄を、メモしてみてください。
年収レンジ
年収レンジも見えてきます。「この経験で、この年収か」という相場感です。
これを知ると、自分の給料が高いのか低いのか分かります。今が低いと分かれば、動く理由になります。相場を知らずに、安く働き続けるのは、もったいないことです。
同じ経験年数の求人で、年収の幅を確認してみましょう。
市場のトレンド
たくさん見ると、トレンドも見えます。今、どんな人材が求められているか。どんな働き方が増えているか。
リモートの有無。求められる役割の変化。こうした流れは、求人票に表れます。トレンドを知ると、先回りで動けるようになります。
月に一度は求人票を眺めて、流れを感じる習慣をつけましょう。
Section 09転職活動を始めるベストタイミング
転職には、いいタイミングがあります。多くの人が、ここを間違えます。私も危うく間違えるところでした。
転職したい時ではない
意外かもしれません。「転職したい」と強く思った時は、実はベストではないのです。
なぜか。その時は、たいてい追い詰められているからです。不満が爆発している。早く逃げたい。そんな状態では、冷静に選べません。焦りで決めると、後悔しやすいのです。
今、追い詰められて転職を考えているなら、一度深呼吸しましょう。
選べる状態になった時
ベストなのは、「選べる状態」になった時です。複数の選択肢がある。どこからもオファーが来る。そういう状態です。
選べる状態だと、強気でいられます。条件を比べて、納得して決められます。妥協で選ぶ必要が、ありません。これが理想です。
「いつでも選べる自分」を、まずは目指してみてください。
余裕がある時こそ動く
だからこそ、余裕がある時に動くべきです。追い詰められる前に、準備を始めるのです。
職務経歴書を整える。市場を見る。スキルを磨く。これらは、今すぐできます。余裕がある時の準備が、いざという時の武器になります。
切羽詰まる前の今こそ、準備を始める絶好のタイミングです。
Section 10実務2年目はキャリアを考える分岐点
実務2年目は、大事な分かれ道です。ここでの選択が、数年後を決めます。道は、ひとつではありません。3つあります。
現職で伸びる道
ひとつ目は、今の会社で伸びる道です。転職だけが正解ではありません。
今の環境に、まだ学べることがあるかもしれません。手を挙げれば、新しい仕事を任されるかもしれません。環境を変える前に、今の環境を使い切る。これも立派な選択です。
今の会社で「まだやれること」がないか、探してみてください。
転職で伸びる道
ふたつ目は、転職で伸びる道です。今の環境に限界があるなら、これが有効です。
レビュー文化のある会社。挑戦できる会社。そういう場所に移れば、成長は加速します。環境は、成長の土台です。土台が悪ければ、変える価値があります。
「環境さえ変われば伸びる」と思うなら、準備を始めましょう。
副業で伸びる道
3つ目は、副業で伸びる道です。意外と見落とされがちです。
本業を続けながら、外で小さく挑戦する。新しい技術を試す。実績を作る。リスクを抑えて、市場価値を上げられる方法です。転職せずに視野を広げられます。
小さな副業案件を、ひとつ探してみるのもおすすめです。
Section 11まとめ|転職するかより、成長できるかを考えよう
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、一番伝えたいことをまとめます。問うべきは「転職するか」ではなく「成長できるか」です。
焦って辞めない
まず、焦って辞めないこと。不満が爆発した勢いで決めると、たいてい後悔します。
転職は手段です。目的ではありません。勢いではなく、戦略で動く。これが大事です。
「今の決断は、焦りからではないか」と、自分に問いかけてみてください。
市場を見る
次に、市場を見ること。求人票を見る。市場価値を調べる。これは、辞めなくても今すぐできます。
市場を知れば、不安は減ります。自分の立ち位置が分かるからです。見えない不安が、見える現実に変わるのです。
今日、求人票を数件でも見ることから始めましょう。
選択肢を増やす
最後に、選択肢を増やすこと。これが結論です。
スキルを磨く。市場を知る。準備をする。すると、選べる自分になります。選択肢が多いほど、人生は楽になるのです。転職するもしないも、自由に選べます。
今日から、選択肢を増やす一歩を踏み出してみてください。
Section 12CTA|今日やること
最後に、今日からできることをまとめます。難しいことは、ひとつもありません。小さな一歩で十分です。
- 求人票を10件見る
- 職務経歴書を書いてみる
- 今の会社の良い点・悪い点を書く
- 転職するかではなく「選べる状態」を目指す
この4つを、順番にやってみましょう。やることは、こんなイメージです。
- まず求人票を眺めて、市場を知る
- 職務経歴書で、自分を棚卸しする
- 今の環境を、冷静に書き出す
- そして「選べる自分」を目指して動く
転職するかどうかは、その後で決めればいいのです。大事なのは、いつでも選べる自分になること。それだけで、毎日の不安はぐっと軽くなります。
次は「実務3年目までに身につけたい技術と考え方」を読んで、さらに市場価値を上げていきましょう。あなたのキャリアは、ここからもっと面白くなります。
